粒状物質、砂の不思議な性質と自己組織化臨界について

白く見える物質がピーナッツ。なぜピーナッツが袋の底付近に集まるかは、現代科学では未だ解明されていない。【Image Credit 亀田製菓

固体でも液体でもない、砂の不思議な性質

砂は固体の粒でできている。にもかかわらず液体のように流れ、時に風に乗って空を舞い、濡れると固まって小さな城を作る材料にもなる。すごく身近な物質なのに砂は以外と不思議な性質を持っている。

砂は正確に言うと「粒状物質」というカテゴリーに分けられる。これら粒状物質は、なぜそうなるのかはっきりと説明できないふるまいを見せる。例えば、大きさの異なる粒状物質を入れて混ぜると、最も大きい粒が上に集まってくる。「柿の種」や「キャラメルコーン」でピーナッツが袋の底に集まってしまうあの現象だ。つまり粒状物質は、自らを大きさで分類してしまうのだ。

物質は通常、時が経つにつてれ混じりあう。蓋の開いた香水を置いておくと、香水の分子は部屋中に広がっていく。しかし粒状物質は物理法則に逆らうかのように、自主的に層を作って並ぶ。しかし現代物理学をもってしても、その原因は解明されていない。

さらに濡れた砂を作って浜辺に山や城を作ることもできる。なぜ濡れた砂と乾いた砂がこれほど違ったふるまいをするのかもよく分かっていない。水が砂粒同士をくっつける糊のような機能を果たしているのだが、その力は意外に大きい。わずかな量の液体が、粒状物質のふるまいをがらりと変えてしまうのだ。

自己組織化臨界現象

この砂山が崩れる現象を科学的に考察したのが、デンマークの物理学者パー・バク(1948-2002)だ。

テーブルに上から砂を少しずつこぼし続けると、砂山は次第に高くなっていく。しかしこれ以上高くなれないところまで成長すると、上からこぼす砂の量に見合う砂が山のどこかで雪崩を起こし、テーブルの端から押し出された砂がこぼれ落ちる。このとき砂山は安定した形を保っているが、その安定は静的なものではなく、動的な砂の流れによって維持されている。これを臨界状態という。

臨界状態にある砂山では、砂粒のわずかな移動が引き金になって大小さまざまな雪崩が起こる。小さな雪崩は頻繁に起こるが、大きな雪崩は稀だ。これらの雪崩は一見ばらばらに起こっているように見えるが、雪崩の大きさと頻度の間には「べき乗の法則」が成り立つことを明らかにし、バクはこれを「自己組織化臨界現象」と名づた。

「べき乗の法則は自然界に共通して見られるありふれた現象であり、地震も、株式市場の変動も、種の絶滅も、人間の脳波も、自己組織化臨界というただ一つのシナリオの多様な現れにすぎない」とバクは語っている。

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