社会&歴史&映画ネタ

紅林麻雄が生んだ5度目の冤罪~袴田事件

投稿日:2016年7月22日 更新日:

袴田氏をメインで取り調べた静岡県警の松本久次郎

袴田事件の再審請求が許可され、袴田巌氏が釈放された。まだ真相はわからないが、状況からみて冤罪の可能性が高い。この袴田事件に、静岡県警の冤罪王・紅林麻雄の部下が関与していたらしい。

紅林麻雄は数々の事件を解決し名刑事と言われたが、後に彼の担当した幸浦事件、二俣事件、小島事件、島田事件の被告人が次々と無罪になり、1963年、幸浦事件の被告人が無罪となったのを機に警察を引退。2ヵ月後に脳出血で死亡した。

紅林麻雄は被告人に拷問を行い自白を強要、さらに証拠をでっちあげて無実の人間を犯人に仕立て上げた。真犯人から賄賂をもらったという話まである。同僚の山崎兵八がそれを告発したところ、彼は偽証罪で逮捕され、懲戒免職になってしまった。

袴田事件でも、紅林の部下による証拠のでっち上げが指摘されている。もしそれが立証できたら、証拠改竄に関与した刑事たちを告発すべきだと思う。時効が成立しているから刑務所に送ることはできないが、糾弾することはできる。残念ながら紅林麻雄は死んでしまったが、袴田さんを犯人にしたてあげた刑事たちの中には、まだ生きている者もいると思う。自分の手柄や保身のため無実の人間の一生を破壊した奴らを、罪を問わないままあの世に逃がしてはならない。「刑事司法の理念からは耐え難い不正義」に加担した連中なのだから。

追記

2018年6月11日

東京高裁が袴田巌氏の再審請求を認めなかった。これにはほんと驚いた。

静岡地裁が再審決定の決め手としたDNA鑑定は「信用できない」というのがその理由だ。弁護側が依頼した本田克也教授(筑波大)が行ったDNA鑑定を、検察側が依頼した鈴木広一教授(大阪医科大)が否定したのだ。

今後の争点は、本田克也教授と鈴木広一教授のどちらが正しいのか?という純粋に科学的なものに絞られることになった。でも、この状況は良いことだと思う。人間の思惑とかプライドとか弁護士の能力といったもので有罪・無罪が決まるんじゃなくて、本田氏と鈴木氏、どちらが正しいかを科学が証明すればいいだけなのだ。

決着がつくには多少時間がかかるだろうが、純粋に科学的な手法で解決して欲しいと思う。そして本田氏、鈴木氏、どちらの説が間違っていたのかを明確にし、負けた方の教授は自分の研究の間違いを素直に認め、反省して欲しいと切に願う。

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