信頼のホルモン「オキシトシン」には、攻撃的に作用するダークサイドがあった!!

2018年3月12日

女性の出産時と授乳時、愛する人とのスキンシップやセックス、ペットとのふれあい等で分泌されるホルモン・オキシトシン。他人を信頼し協調する作用があり、さらには※自閉症の治療に有効かも?と今、注目されているホルモンだ。

※浜松医科大学精神医学講座、山末英典教授をリーダとする研究チームが、オキシトシン経鼻スプレーの自閉症への効果を研究した結果が2018年6月に発表された。それによると、対人コミュニケーションの改善については効果が見られなかったが、常同行動と限定的興味の改善については有為な効果があったみたいだ。研究は今後も継続されるらしい。良い結果が出ることを期待しています。
世界初 自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの治療効果を検証しました

しかしこのオキシトシンには、同胞ではない者に対しては攻撃的になるというダークサイドがあることがわかってきた。

明らかにしたのはオランダの心理学者、カールステン・ド・ドロイ。彼は一連の実験でそれを証明した。

実験のひとつに、列車が進む先にいる5人を別の1人を線路に投げ入れて助けるかどうか?という有名なジレンマをアレンジしたものがある。

被験者はオランダ人の若者たち。助ける5人は全員オランダ人だが、投げ入れる1人の名前をオランダ人やドイツ人、ムスリムに変えて(ドイツ人、ムスリムは一般的なオランダ人に嫌われている)実験をした。すると、オキシトシンを投与したグループは、明らかにドイツ人、ムスリムを線路に投げ入れる率が上がったという。

人間は狩猟生活から農耕生活に移行し、生活集団の人数は大幅に増えた。多数の人たちが協力して農耕を行う際、生活集団内で他人を信頼しないタイプの人間は、集団にうまく溶け込めないために生存率は低かっただろう。でも逆に、盲目的に誰も彼も信頼する人間も生存に不利だったはず。

そう考えると、オキシトシンの効果はただ単に「他者を信頼する」という単純なものではなく、仲間を信頼して部外者を信頼しないという「人間の生存に有利になるように作用するホルモン」だったのだ。

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