心と意識ネタ

人は自分が「見るはず」と思っているものを見、「見ないだろう」と思うものは見ない

投稿日:2018年3月17日 更新日:

人間は自分が常識と思っていることに関して違う事実に直面すると、事実を自分の常識に変えて認識してしまうことがある。先入観が事実を捻じ曲げるという現象だ。これは誰もが思い当たる節があることだと思うけど、それを実験により証明した人がいる。

マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、ボストン大学に在籍したドイツ系アメリカ人の科学史家のトーマス・クーンは「(科学者も含めて)人間は自分が見るはずと思っているものを見、見ないだろうと思うものは見ない」と語り、ある実験を例にしてそれを説明した。

被験者は何枚ものトランプカードを次々と見せられ、見たカードの色とマークと数を言うように指示される。ところが、このトランプは実験用に作った偽物で、赤のスペードとか黒のハートといった「ありえない」カードが数枚入っている。

実験では、被験者たちは誰ひとりこの「ありえない」カードを認識できず、赤のスペードの6を見せられると「赤のハートの6」と答えた。しかし、これを2回、3回と繰り返すうちに、被験者の数人が答える前にためらうようになり、さらに回数を重ねると数人が混乱してきた。そのうちの一人はすっかり混乱してしまい、こう語った。「その時はトランプカードにすら見えませんでした。何色なのかもスペードなのか?ハートなのか?もわかりませんでした。今でもスペードとはどんな形だったのか、はっきりしていません」。結局、赤のスペードの6を「赤のスペードの6」と正しく答えられたのは2~3人しかいなかった。

こういう「先入観に囚われずに事実をありのままに見る」という姿勢は、科学者にはすごく必要なことなんだろうな。「止まっているところから発射した光も動いているところから発射した光も速度は同じ」という事実を前にして「時間の進み方が変わるのだ」と気づいたアインシュタインのように。

-心と意識ネタ


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

なぜ人は命令されると盲目的に従ってしまうんだろう?

『愛を読むひと』。少年が年上の女性とのひと夏の恋を経験して大人になる的な『おもいでの夏』みたいな映画だと思ってたけど、実際に観てみると結構ディープな作品だ。文盲の女性ハンナを『タイタニック』のケイト・ …

信頼のホルモン「オキシトシン」には、攻撃的に作用するダークサイドがあった!!

女性の出産時と授乳時、愛する人とのスキンシップやセックス、ペットとのふれあい等で分泌されるホルモン・オキシトシン。他人を信頼し協調する作用があり、さらには※自閉症の治療に有効かも?と今、注目されている …

意識は映画と同じように、静止画として認識されている

ドライブに出かけた時「行きより帰りの方が時間が早く感じた」という経験は誰にもあると思う。また「事故の瞬間がスローモーションに見えた」という経験をしたことがある人もいるだろう。これらの時間の感覚の変化は …

ホモデウス 自由意志

『ホモデウス』に紹介されていた人間の意志に関する実験が怖い

待望のハラリの新刊『ホモ・デウス』を読んだ! 『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリの新作『ホモ・デウス』が発刊した。もう待ちきれずに買った。『サピエンス全史』は人類の歴史を今までにない斬新な …

子育ての違いは、子供の性格や行動になんら影響を与えない

巷には育児書なるものが溢れている。どうやって育てれば子供を立派な人間に、幸せな人間にできるかは、パパやママの重大な関心事だ。 しかしひと口に「育児書」と言っても、その内容は千差万別だ。子供は優しく愛情 …